12066.jpg
「青色っぽい羽がキレイ」カラスを餌付け、押し寄せる大群…法的に問題ない?
2016年11月11日 10時38分

「俺が家に帰ってくると数十匹のカラスがガーガーいって寄ってくる」。カラスに餌をあげ続けてきた男性が、ネットの掲示板に「めっちゃ懐いてきた」「凄いかわいい」と喜びの声を投稿していた。

カラスの群れに顔と車をおぼえられていて、車で移動するとカラスの大群がついてくるそうだ。見た目についても「あの漆黒の羽が好きだな」「光が当たると青色っぽく見えるのがキレイ」とお気に入りの様子だ。

ただ、カラスについては、ごみ捨て場を荒らすなど、害が大きいと思っている人も多い。大群が自宅近くに押し寄せると迷惑する人もいるだろう。カラスを餌付けすることは法的に問題ないのだろうか。猫の餌やりと異なる点があるのだろうか。鈴木智洋弁護士に聞いた。

「俺が家に帰ってくると数十匹のカラスがガーガーいって寄ってくる」。カラスに餌をあげ続けてきた男性が、ネットの掲示板に「めっちゃ懐いてきた」「凄いかわいい」と喜びの声を投稿していた。

カラスの群れに顔と車をおぼえられていて、車で移動するとカラスの大群がついてくるそうだ。見た目についても「あの漆黒の羽が好きだな」「光が当たると青色っぽく見えるのがキレイ」とお気に入りの様子だ。

ただ、カラスについては、ごみ捨て場を荒らすなど、害が大きいと思っている人も多い。大群が自宅近くに押し寄せると迷惑する人もいるだろう。カラスを餌付けすることは法的に問題ないのだろうか。猫の餌やりと異なる点があるのだろうか。鈴木智洋弁護士に聞いた。

●猫に対する過度な餌やりと共通する部分も

「野生のカラスを飼うことは鳥獣保護法で原則的に禁止されていますが、単にカラスに餌付けをするだけであれば、一部、条例で禁止している市区町村もありますが、法律でこれを正面から禁止しているものはありません」

では問題ないということか。

「そういうわけではありません。餌付けを繰り返すと、餌を与えられた動物は『人は食べ物をくれる』と記憶し、人を恐れなくなりますし、人が与える餌に依存し、自分で餌を獲らなくなることにもつながります。

また、餌付けによって栄養状態に恵まれると、自然な状態に比べて個体数が増えやすくなりますので、生態系の在り方そのものに与える影響も小さくありません。

更には、糞尿や鳴き声の被害、人への攻撃など、周辺の住民が迷惑する場合も考えられます。

こういった様々な問題は、野良猫に対する過度な餌やりと共通するところだと言えるでしょう。

カラスに餌付けをすることで、カラスは餌付けをする人に懐いて沢山集まってくるでしょうし、それによって、餌付けをしている本人が満足感を得ることがあるかもしれません。

しかしながら、先ほど指摘したような問題もありますので、人とカラスを初めとした動物との共生を図るという観点からも、カラスへの餌付けはやめた方が良いと考えられます」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る