臨時物資需給調整法違反 昭和27年2月26日
昭和26(れ)2396
臨時物資需給調整法違反
昭和27年2月26日
最高裁判所第三小法廷
判決
棄却
集刑 第61号607頁
東京高等裁判所
昭和26年7月9日
一 旧刑訴事件の上訴審における審判の特例規則が適用される控訴審判決の証拠説示の方法 二 綿布生地の買受及び売渡行為が別罪として起訴されている場合に買受行為のみを有罪とする場合の判示方 三 事実の同一性ある例
一 本件については、旧刑訴事件の上訴審における審判の特例に関する規則八条が適用されるから、控訴審判決が、証拠により罪となるべき事実を認めた理由を説明するには、証拠の標目を掲げれば足りるのである。(同規則の違法、無効でないことは、昭和二四年(れ)第二一二七号同二五年一〇月二五日大法廷判決、集四巻一〇号二一五一頁の趣旨に徴して明らかである。)そうして、証拠の標目を提げることによる証拠説示については、判文上証拠と事実との関連が明らかでなくても、記録と照らし合せて見てどの証拠にどの事実が認定されたか明らかであれば足りるとするのが、当裁判所の判例である。(昭和二五年(あ)第一〇六八号同年九月一九日第三小法廷判決、集四巻九号一六九五頁、昭和二五年(あ)第七七三号同二六年四月一七日第三小法廷判決、集五巻六九六三頁)。 二 本件各公判請求書によると、本件綿布生地の買受行為とその売渡行為とは、各々別罪を構成するものとして、起訴されているものと解すべきである。従つて、原判決が、その売渡行為につき無罪を言渡し、その買受行為につき有罪の言渡をしたからといつて、所論のように一個の公訴事実を分割し、一部有罪、一部無罪の言渡をしたものとはいえない。そしてまた、本件綿布生地の買受行為を、衣料品としての買受行為とみても、生産資材としての買受行為とみても、基本の事実関係を異にするものではないから、原審認定の事実は、起訴事実と同一性を失わず、従つて、審判の請求を受けた事件について判決せず、審判の請求を受けない事件について判決をしたものとの非難はあたらない。
旧刑訴事件の上訴審における審判の特例規則8条,旧刑訴法360条1項,旧刑訴法410条18号