犯罪・刑事事件の解決事例
#加害者

実刑が控訴審で執行猶予(現地調査の重要性)

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大野 康博 弁護士が解決
所属事務所碑総合法律事務所
所在地東京都 港区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

造園業者が自動車を運転中,ユニック(クレーン)が立っているのに気付いたのにそのまま走行し,ユニックが高架戦に引っ掛かり車が対向車線に転倒,対向車線を走行中の自動車に衝突させ運転手死亡。原審は業務上過失致傷(当時)で禁固1年の実刑を言い渡す。結果は重大。執行猶予をとれるかは,ユニックが立っているのに気付いた後そのまま走行したことについて過失は多いくないことを立証すること。

解決への流れ

現場に行き道路状況等を確認。現場写真を撮る。被告人がユニックが立っていることに気付いた地点に,「急カーブ注意」の標識が立っていることを確認(原審の証拠にはない)現場写真を証拠として出し,気付いていた時点で停車していたら,後続車が追い越す際対向車が急カーブで見えず危険ということを強調し,気付いてすぐに停車しなかったことの過失は小さいと主張立証。ユニックが高架戦に引っ掛かって対向車線側に倒れたこと,そこに対向車が来たことは不運が重なったものと主張。控訴審はそれを受け入れ,原判決を破棄し,禁固1年執行猶予3年とした。

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大野 康博 弁護士からのコメント

現場確認をし,現地写真を取らなければ,それを裁判所が証拠採用しなければ執行猶予はなかった可能性が高い。改めて現場確認の重要性を認識した事件。現場は成田空港近くで,国選の立場で現場に行くのはややしんどい感はあったが,現場近くに用事を見つけて(ゴルフの予定を入れる),そのあと現場に行ったので負担感は薄められた。