犯罪・刑事事件の解決事例
#医療過誤

盲腸を切るくらい簡単な手術と言われた膀胱がんの手術中に急死した事例

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野林 信行 弁護士が解決
所属事務所野林信行法律事務所
所在地福岡県 福岡市中央区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

遺族からのご相談でした。父親に初期の膀胱がんが見つかり,専門医でがん部分を切除することになりました。主治医によると,盲腸を切るくらい簡単な手術で,入院も1週間程度との説明だったので安心していたところ,手術中に容態が急変し,死亡してしまったとのこと。医療過誤だったのではないかと相談に来られました。

解決への流れ

受任後,医療記録を入手して調査分析しました。協力医にも意見をうかがい,お亡くなりになった方が慢性腎不全と診断できるほど腎臓が弱く,術前に体力を付けるためにカリウム含有の輸液を行ったことから,カリウム排出ができなくなり,手術のストレスと合わせて高カリウム血症を生じ,急性心不全をきたして死亡したのではないかとの結論に至りました。このことを前提に相手方病院と交渉したところ,責任を認め,謝罪と合わせて損害賠償を勝ち取ることができました。

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野林 信行 弁護士からのコメント

医療事件は,高度な専門知識を有する病院・医師を相手にする戦いですので,医療記録の精査,医療文献の調査と合わせて協力医からのアドバイスも欠かせません。本件ではそのような作業の中で死因の核心まで追及できた事例でした。盲腸を切るくらい簡単な手術という説明は,医師としてあまりに無責任ではないかと憤りを覚えました。