犯罪・刑事事件の解決事例
#慰謝料 . #不倫・浮気

交際女性の夫から不貞行為を理由に330万円の慰謝料請求訴訟を起こされたが、訴えの取下げで終了した事例。

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神山 公仁彦 弁護士が解決
所属事務所梅ヶ枝町法律事務所
所在地大阪府 大阪市北区

この事例の依頼主

女性

相談前の状況

独身のAさんは、夫X氏のいるB子さんと飲み屋で知り合って親しく話をするようになり、以後、一緒に酒を飲んだり、携帯やメールなどで連絡を取り合うようになりました。当時、B子さんと夫X氏は家庭内別居の状態で二人の間で離婚の話が進んでおり、AさんはB子さんの悩み事の相談に乗ったりしていました。その後、B子さんとX氏との間でいよいよ離婚の話が具体化し、互いに離婚届に署名・押印をしましたが、気持の整理を付けたいとのX氏の希望で離婚届の提出は3ヵ月後とされました。そして、そのような時期に、AさんとB子さんは性交渉を持ちました。ところが、その後、X氏は、Aさんの存在が明らかになったとして、離婚届の提出に異を唱え、Aさんに対しては、不貞行為を理由に330万円(内訳は、慰謝料300万円と弁護士費用損害30万円)の慰謝料請求訴訟を提起してきました。私は、Aさんから相談をうけ、訴訟代理人として訴訟追行を行うことになりました。

解決への流れ

訴訟においては、X氏は、自分とB子さんとの間で離婚の話が出る以前からAさんとB子さんが性的関係を持ち、AさんとB子さんの不貞関係がX氏とB子さんの夫婦関係の破綻の原因であると主張してきました。私は、Aさん及びB子さんからの事情聴取の結果も踏まえ、X氏とB子さんの夫婦関係が破綻するに至った理由がAさんの存在とは無関係であること、また、AさんとB子さんのメールのやり取りなどから、二人の交際が始まった時期がX氏とB子さんとの間で離婚の話が出るようになった後であることを、丁寧に主張・立証していきました。そうしたところ、X氏は、判決を待つことなく、Aさんに対する訴えを取り下げ、訴訟は終了しました。

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神山 公仁彦 弁護士からのコメント

AさんとB子さんが性的関係を持った時期が、X氏とB子さんの夫婦関係が破綻した時期の後なのかどうかが主な争点でした(夫婦の一方と第三者が肉体関係を持った場合において、夫婦の婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、他方配偶者には婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益があるとはいえないから、特段の事情のない限り、その第三者は他方配偶者に対し不法行為責任を負わないとするのが最高裁判例の立場です。)。本件において、X氏とB子さん夫婦は、家庭内別居とはいっても生活を共にしていたわけであり、AさんとB子さんが性的関係を持った時点でX氏とB子さんの夫婦関係が本当に客観的に破綻していたといえるのかは微妙な面があり、判決に至った場合に結論がどちらに転ぶかは、明確な予測ができないと考えていました。ですので、結果として、本件が訴えの取下げで終了したのはよかったと思います。