犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割 . #相続人調査 . #相続放棄

弁護士からの丁重な手紙で、トラブルを未然に回避し、円滑に解決できた事例

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田口 泰規 弁護士が解決
所属事務所法律事務所maru
所在地東京都 葛飾区

この事例の依頼主

70代 女性

相談前の状況

相談者Aさんは、Bさんと小さい頃は同じ家で兄弟のように育ち、その後もずっと近くで関わりながら生活していましたが、AさんとBさんには血縁関係はありませんでした。Bさんが亡くなったとき、Bさんには親戚づきあいは全くありませんでしたので、葬儀等もすべてAさんが執り行いました。その後、司法書士に頼んで、相続関係を調査してもらったところ、出生後半年後に、養子縁組に出されていたこと、法定相続人が12人いること(生前は付き合いは一切ありませんでした)がわかりました。Bさんは、Bさん名義の自宅を持っており、何らかの処理が必要であるとともに、郵便などから、負債もあるようだということは分かっていました。このような状況の中で、どのように進めていったらよいか全くわからないということで、Aさんが相談に来られました。

解決への流れ

事件解決の方向性としては、① 遺産等は法定相続人によって整理してもらうという方向と、②法定相続人からAさんに相続分譲渡をしてもらうという方向の2つが考えられました。Aさんと検討し、できれば相続分譲渡に向かう方向で進めつつ、希望者がいれば法定相続人に処理してもらうという方向で進むことにしました。そこで、私から、12人の法定相続人全員に、相続があったことを伝えるとともに、相続に関する意向確認したところ、結果として、12人全員から相続分の譲渡を受けることができ、実質的に、Aさん一人が相続人であったのと同じ状況を作り出すことができました。

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田口 泰規 弁護士からのコメント

相続の世界は「争い」というイメージもありますが、本件では、争いは全くなく、「すべて譲ってもらえた」案件でした。Bさんが生後すぐに養子に出されていることや、Bさんの生前、12人の法定相続人との接点は全くなかったことから、12人の方は、全員がBさんのことを「全く知らない」と想定されました。12人もいれば様々な人がいるわけですが、その12人が、私からの通知で、初めて、Bさんのことを知り、相続のことを考える、ということになります。どの事件でもそうなのですが、「1通目の通知」はとても重要です。この1通で信頼関係を築けるか、不信を抱かれるか。どちらに振れるかによって、その後の流れが変わってきます。今回の案件でも、1通目の通知を丁寧に書きました。その結果、12人全員から、特に支障なく、相続分の譲渡を受けることができ、円滑に、実質的に、Aさん一人が相続人であったのと同じ状況を作り出すことができました。通知が届かない人がいるなどの、郵便関係の難しさはありましたが、連絡が取れるようになってからは、スムーズに進んでいきました。何事もなく、案件が終わっていく。もめることなく、手続が進んでいく。そのような流れを作り出すきっかけは、初動のあり方にあります。最初でつまずくと難しい案件でしたが、最初の通知で、信頼関係を獲得でき、円滑に進められてよかったと思っています。