この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
相手方（弟）の依頼した行政書士から、遺産分割書類が一方的に送付されてきたため、弁護士へ相談。弁護士から、相手方の提示する分割内容が不当なものであることや、遺産（不動産）の評価について交渉の余地があることを説明し、その後の対応について正式にご依頼をいただいた。
解決への流れ
弁護士から相手方へ、法的に適切な内容での遺産分割協議を求める手紙を送付し、また、不動産の評価額について査定資料をもとに交渉した。しかし、相手方との話し合いは平行線のまま進み、また、相手方から「依頼者の特別受益」の主張もあったため、このまま話し合いでの解決は難しいと判断して、依頼者と相談の上で、遺産分割調停（家庭裁判所）での手続きを行った。遺産分割調停では、家庭裁判所は当方の主張に理解を示してくれ、最終的に依頼者が納得できる金額（依頼者の特別受益については否定）で調停が成立して解決できた。
相手方の弁護士、司法書士、行政書士から手紙や連絡がきた場合には、その連絡内容が正当なものかどうか、別の信頼できる弁護士へ相談することをお勧めします。弁護士などの専門家は、あくまで「お金を支払った依頼者のため」に書類を作成しています。「弁護士が作った文書だから、中立・公平な内容で、正しいもの」とは限りません。ですので、相手方から送られてきた連絡内容について、相談者が不利な条件がないかどうかを確認してもらった方がよいのです。今回のご相談でも、相手方（の行政書士）から送られてきた分割案は相談者にとって不当なもので、遺産の評価の仕方も、相手方にとって有利な形になっていました。正式にご依頼を受けた後、弁護士が相手方と協議を行いましたが、相手方が主張を譲らなかったため、遺産分割調停まで進むことになりました。遺産分割調停では、申立書の内容等を工夫した結果、ほとんどこちらのペースで話し合いが進めることができ、最終的に、依頼者が納得できる形で解決することができました。遺産分割協議や調停の対応についてはお任せください。