犯罪・刑事事件の解決事例
#後遺障害等級認定 . #慰謝料・損害賠償 . #人身事故

後遺障害等級を獲得し、受任前提示額の35倍以上の賠償を得た件

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島田 敬介 弁護士が解決
所属事務所島田敬介法律事務所
所在地東京都 中央区

この事例の依頼主

60代 女性

相談前の状況

横断歩道を歩行中、前方不注視の右折車に追突された女性の事案です。救急搬送された病院やその後約1年通院された整形外科では、骨傷(骨折)がないと診断されていましたが、その後(事故前から持病で通院していた別の整形外科で)事故による骨折が認められると診断してくれた医師がいた、という段階でご相談を受けました。なお、保険会社からは(骨折していないという前提で)支払済みの治療費を除き、約20万円の提示を受けていました。この時点ですでに事故から2年以上が経過しており、依頼者も半ば諦めておりましたが、どちらかといえば、賠償額の問題より悔しい気持ちの部分が大きいようでした。異なる医師による、いわば矛盾した診断がある上、一般的には事故直後から継続してなされた診断が重視されること(しかも、骨傷と診断してくれたのは事故から2年後)などから、難しい事案ではあることを依頼者にご説明の上、ご依頼を受けました。

解決への流れ

受任後、骨傷と診断してくれた医師に、診断書・後遺障害診断書を作成して頂き、(任意)保険会社と交渉しましたが、保険会社は、骨傷や後遺障害について一切取り合うことはなく、取りつくしまもないような態度でした。そこで、任意保険会社との交渉では埒が空かないと判断し、自賠責保険会社への被害者請求という手続を選択し、その中で後遺障害等級の申請もしました。後遺障害等級の審査は、保険会社とは別の中立な機関(損害保険料率算出機構)が行いますが、上記のとおり矛盾した二つの診断がある事案でしたので、慎重な判断を要し、通常よりも時間がかかりましたが、結果的に、事故による骨折という診断を支持してもらい、脊柱変形(背骨の骨折が完全な形で治らないこと)という後遺障害で11級7号の等級を得ることができました。同時に、自賠責保険による支払が約360万円ありました。この結果を得て、(自賠責保険の限度額を超える損害について)任意保険会社と再度交渉し、後遺障害による慰謝料や逸失利益(労働能力を喪失したことによる損害)を含め、自賠責保険を超える損害について、約390万円で示談を成立させました(支払済みの治療費を除き、合計約750万円)。

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島田 敬介 弁護士からのコメント

事故から2年以上経った時点での、異なる診断という難しい状況ながら、諦めずに最大限の努力をした結果、大きな賠償額を獲得することができた事案としてご紹介致しました。この事案のように骨傷の有無という基本的な診断が異なる事案は、やや珍しいといえるかもしれませんが、医師の技量にも個人差があることは否定できませんので、別の医師により異なる診断が出ることは、必ずしも珍しいことではありません。被害者としては、納得が出来ない場合には複数の医師によるセカンドオピニオンを求めるという態度も、ときに大切なことであると感じます。最終的な賠償額について少し補足しますと、この方は60代の一人暮らし・無職の女性で、(年金や不動産収入があることもあり)将来にわたっても仕事をする意思がない方でした。このような方の場合、一般的には逸失利益(労働能力を喪失したことによる損害)の請求も中々難しいのですが、この事案では、そのことを踏まえた上、一定程度の逸失利益を獲得することにも成功しております。